最近ビジネス書を独占しているNewsPicks Bookから、去年の7月6日に出た「田端 信太郎」さんの本を読みました。
ビジネス書や自己啓発本などの著者は、起業して自分の会社を持っている人がほとんどだと思ってました。
しかし、今回紹介する「ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言」の著者である「田端 信太郎」さんは、会社に努めながら個人でも働いている人です。
「会社なんか辞めて起業してビジネス初めよう!」という本が多い中で、会社に所属しながら個人の価値を高めていく方法が書かれていました。
「起業をいつかしてみたい、けど勇気も資産もないし、会社勤めでどうしようも出来ない。」とモヤモヤしている人にはオススメな本。
実は起業しなくても目標を達成できるかも。
また、個人の力をつけてこれから発信する側になりたいと思っている人も、何かヒントを得られるでしょう。
気になった、または私が心が動いた文章をピックアップしていきます。
ドMからドSへ
工事現場には必ず交通整理のために赤い棒を振って、道行く車を誘導しているお兄さんやおじさんがいますが、真夏の炎天下だろうか真冬だろうが関係なく毎日立って仕事をしています。
結構大変なお仕事ですよね。しかし、お給料は悲しいことにあまり高くはない。
ロボットや電光掲示板に代替できそうな単純労働はこれからどんどん価値が落ちていく、辛くて汗をどんなにかいても変わらないのです。
田端さんは彼らの給料を「辛い仕事に耐え抜いていることへの我慢料」など呼んでいますが、確かにそうだなと。
わずがな「我慢料」をもらうだけのドMすぎる労働者生活は今すぐやめろ。今日からドSになるのだ。SはサービスのSだ。スペシャリストのSでもある。
君はドSプレイによって、どれほどの笑顔にできるか考えてみろ。ドSが世界を救うのだ。
ものすごいパンチがある文章ですが、嫌いじゃないです(笑)
とにかく量をこなせ。量が質を生む
寿司職人の中では、「飯炊き3年握り8年」という言葉があります。要するに修行は10年かかるらしいのですが、そんなことを吹き飛ばす言葉である。
「これならギリギリこなせそうだな」というレベルでは駄目らしい。「こんな量は絶対に不可能だ」というレベルを必死でやりきることが重要だという。
会社で数年しか所属していないけど、それなに結果を出している若者がいます。
就職した当初の話を聞いてみると、めちゃくちゃ忙しい場所にいきなり放り込まれて、右も左もわからずガムシャラに動いていたなんて人が多かったです。
日本の茶道の考えで「守破離」がありますが、まずは「守」を徹底的に行なった人が結果、基礎から自分らしさがにじみ出てきて最終的に「離」に到達するのではないでしょうか。
なんでもそうですが、やり始めってモチベーション高くてガムシャラに行動できますのでこの考え方はとても好きです。
「ビジネス書でノウハウを学んで最初から生産性を高めよう」と思っても、意識が高いだけの勘違い男になるのが関の山だ。「圧倒的努力で、大量の仕事をこなす」。これしかブランド人の階段を登り続けるための体力はつかない。
私自身がめちゃくちゃなノウハウコレクターでしたので、痛いほど刺さります…
たくさんのノウハウを学びまくると、なんだか賢くなた気がして「これだけのスゴい人の考えをこれだけ吸収した俺スゴイんじゃね?!」と思ってしまいますが、残念ながらそのようなことは一ミリもなかったのです。
実践して行動するからこそ現実で具現化する。
ライブストリーミングのSHOWROOM代表、前田裕二さんも同じようなことを言ってましたね。
「ただひたすら量をこなす」という地道にして着実な基礎の上に、次なるフェイズが見えてくる。
プロとして基礎がまるでできていないのに、ろくに汗流さずおいしい仕事だけ分捕ろうなんていう虫の良い話は、世間のどこにも転がってない。
2年間、死ぬ気で胃が痛くなろうが、頭痛でボーっとしようが、きつすぎて元の生活に戻りたいと思おうがガムシャラに目の前の仕事をこなしまくった世界にブランド人への道が開くのでしょう。
整体師としても私しては健康に害が及びすぎる前に少し立ち止まってほしい気もします(笑)
健康管理やストレス管理は絶対に忘れずに。
武士は打ち首、サラリーマンはノーリスク
田端さんがリクルートでフリーマガジン「R25」を立ち上げたのは27〜27歳の頃。
年間予算規模約20億円で、全く新しい企画を実行する時に組織の人から色々言われたようです。
「田端!おまえはオマエのご両親の老後資金がこのプロジェクトに投資されるとしたら、賛成できるのか?」と当時常務であり現在リクルートホールディングスの社長となった峰岸さんに言われ、「売り言葉に買い言葉」と言わんばかりに「ええ!もちろん賛成です!」と生意気にはったりをかましました。
若さを考えるとめちゃめちゃ生意気ですね(笑)
これが失敗したら会社にいられないなと思いつつ、ひとつの大きなことに田端さんは気付く。
おい待てよ、たとえ「R25」がズッコケて億単位の巨額の損失を出したところで、「給料を全額返済せよ」と終わ訳では無いと。
責任を取るといっても、せいぜい会社を首になるくらい。打ち首に比べれば、かすり傷だ。そのときは転職活動をし、次の職を探せばいい。
サラリーマンではなくもしフリーランスだであるなら、失敗した場合貯金を切り崩したり借金をしたり、自分で全責任を負わなければならない。
そう、サラリーマンはギャンブルをし放題なのだという思考に辿りついた。
見方を変えれば実はサラリーマンは結構無敵だったりする。
独立開業して経営者の場合は攻撃力だけ伸ばして守備力を疎かにしてしまうと、何かあったときに全ての責任が自分自身に降り掛かってくるので、尖った能力値をなかなか伸ばせない場合があります。
しかし、会社勤めのサラリーマンの場合は攻撃力高めでガンガン攻めても会社という守備力高い存在がいるので、いくらでもアタック可能です。これは気持ち的にも大きいですね。
まとめ
この本には会社に務めながらも個人として戦って自分のブランドを作り上げる方法や、迷っている人の背中を押してくれる言葉が散りばめられています。
これからもっと「個」の時代が発展し、確実に「何をする」よりも「誰がするか」の方が強くなるので、今後ブランド人として活躍して行きたい人は参考になりそうですね。
ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言 (NewsPicks Book)