ミュージシャンが知っておくべき、「音」に関する耳の影響&対策。

クラシックのコンサートやバンドがたくさん出るロックフェスに行くと、日常生活ではなかなか聴かない音量を耳に入れます。

聴いているときは心を落ち着かせてしみじみ聴いたり、テンションが上がってドーパミンがドバドバ出ながら聴いている人もいるでしょう。

そんな中、耳にはどんなことが起こり、どのような影響があるのか?

ミュージシャンで「実は耳が聞こえづらいんだよね・・・」と悩んでいる人もよくお見かけしますが、実際に「耳」についてミュージシャンは意外に少ない。

知っていると耳を潰さずに音楽ライフを満喫できるので、ぜひ最低限の知識を入れてほしいと思ってます。

音が聞こえる仕組み

そもそも音はどのようにして人間は聞こえているのか?理科の授業が得意だった人はもしかしたら覚えているかもしれませんが、ほとんどの人は覚えてませんよね。

https://sakashita-jibika.com/ear/ear_construction/

https://kotobank.jp/word/%E5%86%85%E8%80%B3-107313

  1. まず耳介と耳管が音を集めて、鼓膜に届く。
  2. 音波が鼓膜を振動させる。
  3. 鼓膜の振動が、内耳にある3つの耳小骨を振動させる。
  4. 耳小骨の機械的な振動が、前庭窓を振動させる。
  5. 前庭窓に達した振動は、蝸牛を満たした液体に伝わり、その液体が蝸牛の内部にある「毛」を動かす。
  6. 細胞の「毛」が動くと電気信号が発生する。この聴細胞は聴神経につながっており、ようやく音の情報が脳に伝わる

文字で見ると複雑な作業工程があって脳まで音が届けられていることが分かる。

大きな刺激での耳の影響

耳は、音を聞くために脳を通して他の神経系と繋がっています。

ロックであろうとクラシックであろうと刺激が強くなると、こうした神経系が反応して身体に様々な影響が及びます。

  • 筋肉の緊張
  • 消化管の変化
  • 心拍増加
  • 血圧増加

これらの反応が増えることになる。

これらが続いていくと結果、頭痛や吐き気がしたりすることもある。感情としては怒りっぽくなったり、ストレスを感じたり、眠れなくなったりすることも。

しかし音楽家で一番の問題は聴力の低下であろう。

障害の度合いは何で決まるのか?

騒音がどれほど有害かは、以下の要素で決まるそうです。

  1. 【音圧】デシベル、dBAで測る。ボリューム音量のこと。
  2. 【周波数】同じ音量なら、ピッチの高い音のほうが有害だとわかる
  3. 音にさらされる時間
  4. 80dBAなら1日に8時間までは影響はないが、短時間なら135dBAまで耐えられる。

安全基準は1日あるいは1週間にさらされる音圧で決めれるが、音圧が最大になったときの衝撃はどれほどなのか。

オーケストラの最大音量は140dBA、ロックコンサートは150dBAであるので甘く見ると痛い目にあうのである。

聞こえにどんな影響があるの?

耳の障害で多いのは聴細胞にダメージを受けたことによる聞こえの低下ですが、極端な騒音にさらされると、耳鳴りを起こしたり、音に敏感になったり、音が歪んで聞こえたり、音の質が変わって聞こえたりします。

ライブハウスに行ったことのある人はわかると思いますが、数曲聴いていただけでも終わった後に外に出るとずっと「キーン」と耳の中で鳴っている感じがしますよね。

こうしたことは、気づかれないうちに少しずつ進行しますが、永続的にさらされると耳が故障していきます。

人間は聞こえの低下を何らかの器具で補うことはできても、正常な聞こえに戻すことはなかなか難しい。耳の治療は治せない場合と治せる場合がある。

まず、外耳~中耳の障害では外科的な手術を検討。

突発性難聴のような急な聴力の悪化では、早期に受診し治療を行い、必要に応じて生活環境を整えることで、病前の聴力相応まで回復することが期待されます。

しかし治療にも限界があり、特に有毛細胞や神経の障害は、症状の進行が進むほどに逆戻りが難しくなる。

こんな人は危険です。

ミュージシャンはこれらの質問に一つでも「はい」と答えたら将来聞こえが損なわれる可能性アリ。

  • 演奏しているとき、声を張り上げないと話ができない?
  • 演奏した後しばらく耳鳴りがする?
  • 本番あるいはリハーサルの後、周りの音がこもって聞こえる?
  • 弾いた後、ずっと耳栓をしているような感じがする?
  • 耳がふさがったり詰まったりするような感じがする?
  • 音楽が歪んで聞こえる?
  • 家族に聞こえの悪い人がいる?

専門家はこんなことを聞いてこられますが、ケースバイケースのところはあるので正直私はなんとも言えないです。

ですがWHOによると、2013年には聴覚障害に苦しむ人は3億6千万人でしたが、2018年の推計値は4億6600万人で、うち3400万人が子供だそうですね。

スマホで音楽を長時間聞けるようになったことや、薬物投与での副作用のことも考えると、ほとんどの人が「耳」に問題を起こすのではないかなと思います。

9の騒音対策

もっとソフトに演奏する。

これはいつでも実行することは難しいですね。ギタリストは「ハードロックを演奏するときにそんなこと考えてられるか!」と言うのが正直な感想かと思いますが、家で練習するときやリハーサル時にすることは良いかもしれません。

演奏時間を短くする。

音にさらされる時間を3dBA減らすには時間を半分にしないといけないので、実はあまり効果がありません…

なので上記2つはおすすめではないです。

「静かな休息」を取り組む。

2〜3時間ごとに15分、あるいは高レベルで騒音にさらされた後は1〜2日耳のために休むといいでしょう。これによって耳に受けたダメージが自然治癒力で回復できるのです。

音に対してもっとも過敏になっている最近のダメージを受けた部分が回復不能のダメージを受けるのを避けることもできるので、これは実践しやすいでしょう。

ダメージをもたらす恐れがある音源から離れる。

リハーサル室が広ければ、他の奏者やスピーカーから離れるのがオススメ。ですがバンド練習のスタジオで入るとだいたい狭いのでなかなか難しい、4人バンドで10帖の広さでは遠のいてもほとんど変わりませんでした(遠のいても他の楽器パートのスピーカーによってしまう)。

せめて20帖以上あると少しは変わるかなと思います。

大きな音を出す奏者の配置を考える。

たとえば金管セクションの直ぐ側には他の奏者を置かない、平台の上に乗せて音のエネルギーが頭上に通り過ぎるようにするなどの対策ですね。

演奏する場所に合わせた曲目を選ぶ。

舞台がとても小さい、つまり演奏者同士がくっついて演奏する会場や、音が響く会場では大きな音を出さないなど。

遮音板を置く。

吹奏楽編成の場合ですが、アクリル樹脂製のスクリーンを打楽器の周りや金管セクションの前に置けば、弦楽器セクションを守ることが可能です。

ただ音を吸収するものではなく、置く場所によってはかえって大きくもなりますし、そもそも存在がとても邪魔なのでオススメではないです。

会場の音響を改善する。

会場の音響を改善する場合は天井や壁につけられる吸収板やパネル、音の拡散装置、折りたたみ式の音響調整スクリーンを置くことが上げられる。

自宅で簡単に取り入れられる物だとやコルクボード、カーテン、カーペットなどの吸収素材が良いでしょう。

 

安い物だとほとんど意味ないので、やはり値段は張りますが質が良い物を選ぶと良いでしょう。

演奏家用の耳栓を使う。

普通の耳栓は高・中音域より低い音をカットする。これだと音や声が不明瞭で不自然に聞こえてしまう。そのため、周波数帯のバランスを保ったまま音圧だけカットする、ミュージシャン用の特別に設計された耳栓を使うと良いですね。

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まとめ

耳は一生使っていくモノ。ミュージシャンは一般人より耳に大きな負担をかけるので音楽ライフを長く楽しむためにも気をつけていきましょう。
参考