健康について調べるとき、みなさんは何を参考にして調べますか。
ネットや書籍、テレビなど、今はどんな媒体でも健康について調べることができます。
どれを信用して良いのか、正直迷いますよね。
情報過多の時代で1つ指標となるのが「エビデンス」、科学的根拠のあるもの。
これがある無しでは安心感が違うらしい。
しかし、そのエビデンスは本当に信用できる情報でしょうか。
実はエビデンスの中にもピラミッド型に階級が存在します。
- メタアナリシス(複数のランダム化比較試験を統合したもの)
- ランダム比較試験
- 観察研究
- 個人の経験談、専門家のエビデンスにもとづかない意見
この順番が強いエビデンス。
ではどのような研究をしてこのレベルを分けているのか。
ランダム化比較試験と観察試験
医学研究は「ランダム化比較試験」と「観察試験」の2つに大きく分けられます。
そして一般的にはランダム比較試験の方が、観察試験よりもエビデンスレベルが高いとれるのです。
・ランダム化比較試験
研究となる人を、クジのような方法を用いて2つのグループが全く同じになるよに分け、片方のグループだけに健康に良いと思われる食品を摂取してもらい、もう片方のグループには摂取しないでいてもらう方法。
2つのグループはその食品を摂取しているかどうか以外の全てを点においてほぼ同じと考えられるため、健康に対する効果をきちんと評価することができる。
・観察研究
ある集団における食事に関するデータを集めてきて、特定の食品をたくさん摂取しているグループと、あまり摂取していないグループを見つけて分析する。
何年(場合によっては数十年)後かに、この2つのグループのそれぞれ病気になっていたり死んでいたりする割合を評価する。
ある食品をたくさん摂取している人は、その食事、運動習慣、健康に対する意識なども違う可能性があり(多くの研究では統計的な手法を用いてそれら他の要因の影響を取り除いているものの、全てを取り除けるわけではない)、本当に食品だけの影響を見ているのか難しい事があるため、ランダム化比較試験と比べると劣る研究結果であるとされている。
最強のエビデンス?「メタアナリシス」
この2つを比べるとランダム化比較試験の方が、観察研究よりも強いエビデンスなので信用になるという評価になります。
しかし、実は更に強いエビデンスが存在します。
それがメタアナリシスです。
メタアナリシスとは、複数の研究結果をとりまとめた研究手法。
1つの研究であればその特定の国民や集団しか認められないパターンが出現してしまう可能性がある。
しかし、10個も20個もの研究が、同じような食事と健康の関係を証明していれば、それはかなり信用できると言える。このように複数の研究結果をとりまとめる研究をメタアナリシスというのです。
話が少し変わりますが、昔とある心理学を学びに神田まで足を運んでいた時がありまして、そこにとあるお寺の住職さんがいました。
不思議に思い、何故仏教などを学ばれている人が西洋の心理学を学ぶか聞いたことがあります。
そしたら本人はこう答えました。
「仏教の考え方とこの心理学の考え方には似ているところがある。国も種族も違うのに、考え方が同じ場所に辿り着くというのはこの世の真理なんじゃないかと思ってね。」
その時は衝撃が走りました。
「確かに!」と、それだけでしたが(笑)
これはメタアナリシスに少し似てますね。
メタアナリシスには、複数のランダム化比較試験をまとめたものと、複数の観察研究をまとめたものがあります。
先程この2つの説明と強さを書きましたが、観察結果には限界があるという理由で複数のランダム化比較試験の方が強いとされています
時には、1つのランダム化比較試験の方が、複数の観察研究を統合したメタアナリシスよりも強いエビデンスと評価されることがあるようなので、「複数のランダム化比較試験をまとめたメタアナリシス」が最強のエビデンス。
まとめ
ここまで書いておいてなんですが、私はエビデンスをどんなレベルであろうと半分ほど信用して仕事(整体)しています。
もちろん全くというわけでは無く、実際にランダム化比較試験のメタアナリシスはかなり参考にしてます。
一生を考えると、臨床経験の数は限られ個人だけの思考で判断するのはとても危険です。
しかし、エビデンスだけで目の前の人を考えてしまうと、例外になった時に対応できないことが多いのです。
人の身体はもれなく全員違います。
その人の症状のレベル、病歴、飲んでいる薬、知識レベル、生活レベル、経済状況、性別、職業、食生活、週の運動量などでいくらでも「施術すること」と「伝えること」が変わってきます。
それに医学における論文の歴史を除くと、全てを信用できないことが分かりました。
なので最終的にには自分で判断して実行していくことをオススメしています。
もし「最強のエビデンスを信用していたのに!」と自分の頭の中で考えずエビデンスが高いからと言って実行しても、研究機関や医者が責任を取ってくれるわけではありません。
どっちに転んでも後悔のないよう、自分で選択することが一番重要です。
参考「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事法」