今現在、作曲などは家で出来るようになりDTM(DeskTopMusic )をすることが増えてきましたね。
そこで問題となるのが長時間作業しているうちに、肩こりや腰痛、頭痛に悩まされ、本当であれば音楽に集中したいのに身体が悲鳴をあげて効率よく作曲録音ができないと言うことです。
知り合いのケースで、仕事でデスクワーク。クタクタになり、帰宅したら趣味の演奏動画やボーカロイドの作曲のためにまたデスクに座って作業・・・
案の定、1日中デスクに向かっていることになるので、肩こり腰痛に悩まされていました。
その健康状態でクリエイティブな作業を最大限にやることは少し難しいのかなと思います。
今回はDTM作業で身体に不調がでないための7のポイントを書いてみます。
「7つも多いしできない」と思うかもしれませんが、自分の環境でやれそうなポイントをいくつか取り入れるだけでも変わるかもしれませんよ。
是非参考にしていただけたらと思います。
良い姿勢をまず意識。
まずこれを分かっていないと、いくら良い椅子を使おうが机の上の環境を整えようが数十分で筋肉が緊張起こります。
キーワードは「バランス」です。
ひとりひとり身体の重さや体型が違うので、自分に合わせたバランスを取れば各筋肉へ不必要な負荷がかからない。
演奏してるときは鏡で自分がどのような姿勢であるか見ると思います。
しかし、座っている時の自分の姿勢は客観的に見ることはあまりないでしょうから、これを気に友達などに写真を撮ってもらうといいでしょう。
私もそうでしたが、ものすごく悪い姿勢で作業しているのが分かります。
①座骨で座る
椅子に座るときにほとんどの人が仙骨で座っていますが、正しくは座骨にのせるのがポイントです。
こちらが仙骨、猫背で座るとだいたいココで座っていることになります。
最初は楽と感じますが、次第に骨盤全体が後傾するので背骨が丸まり横隔膜が緊張し、呼吸が妨げられます。体重を椅子で支えるより背もたれになることによって、背骨に過剰な重さがかかるのです。
こちらが座骨の左
こちらが座骨の右。
座骨でしっかり座れれば、背中の位置をコントロールしやすくなり、片側の座骨から反対側の座骨へ体重移動出来るため、自由に動けるようになります。
しかし実際に身体に意識がいかない人がやると「ちゃんと座骨で座れているか分からない」。
なんてことがほとんど。
ここで誰もできる超簡単に座骨で座る方法を教えます。
- まず座った状態で軽く姿勢を正してお尻の下に両手を入れ、2つの硬い骨を確認しましょう。それが座骨です。
- 両手を入れたまま、身体をゆっくり左右前後と横に軽く動き、座骨を十分に感じます。
- 意識が座骨に十分入ったら両手を抜いて、先ほど感じでいた場所で椅子に座ります。
これでほとんどの人が「座骨で座る」ことができるので、ぜひ実際にやってみて下さい。
環境づくり
しっかり仙骨で座れるようになったら本題のデスクの環境づくりです。
②ディスプレイの位置と高さ
ディスプレイは机の面に対して垂直よりか、わずか上向きに。
もし出来るならディスプレイの下に何か置いても良いので、画面の一番上がだいたい目の高さに来るように置く。
デスクトップかノートか、または画面の大きさによって工夫が必要ですが、首が極度に下を向く状態を作らないようにしましょう。
距離は、腕の長さ分だけ離れて座る。もし腕を手の先まで伸ばして画面に当たるようなら後ろに下がるか、画面を奥にズラすのが良いかもしれませんね。
③椅子
作曲や録音する時には、長時間座っていることが多いので良い椅子を使うことをおススメします。
しかし高い椅子を買っても自分に合っているか分からない、なんてこともあるので選ぶのがなかなか難しいんですよね。
楽に演奏もできるように、身体に合う椅子を選んでいきましょう。
椅子は十分な奥行きをもち、大腿全体と腰を支え、膝が約90度が理想的です。
膝から床までの高さより2〜5センチ高い椅子なら、この条件を満たすことが多いようです。
姿勢が悪くなるとどうしても背骨の自然なカーブが保てず、猫背になり、背もたれに寄っかかってしまう経験はありませんか?
その状態になると腹部が圧迫され肺や腹部が圧迫され、呼吸も浅くなり先ほど言った座骨で座ることも出来なくなります。
そうならないために、傾いた座面を使うことで妨げることがあります。
座面が傾いた椅子はこのような物が良いでしょう。
④肘掛け
楽器を弾かないのであれば肘掛けを備えたのが良いかと思いますが、ギターやベースを持って座るとこれがかなり邪魔になる。
ぶつからないように座って弾くと、ぎこちなくなって筋肉が緊張しいつものパフォーマンスが発揮出来なくなってしまう。
その場合は肘掛けが動くタイプの椅子を使うと一発で解消します。
少しお高いですが、理想のDTM環境を揃えるときに、始めはデスクの上だけに投資するより長時間身体を預ける椅子に投資した方が肩こり腰痛になって整体に通うお金が浮くのではないでしょうか?
私は来院してくれた方が嬉しいのですが・・・(笑)
また、腰痛対策に使うランバーサポートというのもあります。車でも使えるのでかなりおススメです。
⑤脚の位置
大腿は床に対して平行で、腰は膝より5〜6センチ高く保つ。こうすることで、体重が大腿の裏側に均等にかかる。
座面が膝の裏側を圧迫しないように注意、血流が阻害される恐れがあります。
⑥キーボード
身体の正面に置く、打つ時は肘を身体の脇に置き、頭は正面に向けること。
MIDIキーボードが体から遠いと首に負荷がかかるので手前に持ってくるのが良いかと思います。
キーボードを少し手前にやるだけでも相当腕と肩の負担は変わっていきます。
⑦マウス
マウスも肩こり頭痛対策のために重要です。
- すぐ手の届くところに置き、手首をまっすぐしたまま使えるようにする。前腕は机で支え、マウスはあまり強く握らないこと。
- 指は軽くマウスのボタンにかける。それでボタンが強く押されてしまうようなら、もっと強いボタンの物に替える。しかし強く押してはいけない。
- マウスは、手と手首だけで動かすのではなく、前腕と肩も使って動かす。
普通のマウスを使うのでしたらこの3つを気をつければいいですが、今時のDTMはトラックボールマウスかと思います。
DTM用のトラックボールマウスはこれが良さそうです。
Logicool ロジクール MXTB1s bluetooth ワイヤレス トラックボール MX ERGO Windows,Mac対応 筋緊張20%軽減 8ボタン 高速充電式 2年間無償保証
このマウスが良いところは斜傾角を調節できること。これ、めちゃめちゃ助かります。
腕が内旋している状態は肩甲骨が開くので首や肩に負担がかかります。何も考えずに立つと腕が内旋していると思いますが、デスクワーク作業や横向きで寝たり不良姿勢が原因だったりします。
解剖学の教科書や骨模型などを見ると手のひらが前を向いてますね。これが本来の自然なのです。
まとめ
細かいことを上げるとキリがないので、この6つのポイントを頭に入れてDTMライフを楽しんで頂けたらと思います。
ここで気をつけないといけないことが、これらのセッティングをちゃんとしても配置などにこだわりがあって、「身体の負担を考えると一番理想だけどこっちの方が見た目のテンション上がる!」ということでしたら、アイディアや演奏が出来るのであればそちらを優先してもOKです。
人それぞれ身体の筋肉量や可動域が違うので、椅子の高さや負担のかからない配置の「理想」の環境を作っても、それが自分にとっての「理想」とは限らないので色々試してみて下さいね。