「間」は演奏以外に健康でもコミュニケーションでも大切

音楽で大切なことはなんですか?

こんな質問をされて1つを選ぶことは出来ませんが、私が大切な1つを選ぶとしたら「間」が候補に上がります。

大切なことを全て上げるとキリがないですが、その中で「間」を大切にしている演奏者や曲を魅力的に感じます。

この「間」。

これがどれだけ大事なのかは、演奏者なら何となく分かっていると思いますが、人とのコミュニケーションでも健康の分野でも同じくらいに大切であり、共通点がある。

「間」を大事にすることで趣味の音楽や人間関係、健康までも良くなり、人生が楽しくなる。

そう私は思います。

今回は音楽、健康、コミュニケーション。この3つに共通する「間」を考えてみます。

音楽の間

曲を作る時に、ただ音符をたくさん並べるだけではゴチャゴチャして、聴く人に伝えたい事も伝わらなくなります。

音符という点が線になり、流れとして聴こえなかった場合、せっかくの数々の点が意味を失くしメロディーとして成り立たなくなる。

逆に音符を少なくするとどうでしょう。

一つ一つの音符の輪郭がハッキリして分かりやすくなるり、点と点の間を開けることによって、1つの点が大きく強調される。

更に音楽ではブレイクという「間」というものがあります。

ブレイク[break]

演奏を一時的に停止した空白部分。ソロ・ブレイクというのは、この部分にソロなどの演奏が入ることを指す。

演奏をみんな一斉に止めて、一気に鳴らしたりするあの瞬間は盛り上がります。

あの静寂の間はドキドキして「くるぞくるぞっ……!」という高揚感を生み出してくれるためでしょう。

ブレイクのとき、LIVEでは照明が良い仕事をしてくれて、静寂になると暗くなり音が振動と共に鳴り響く瞬間はドーパミンがドバっと出る。

ブレイクの威力、恐るべし。

音楽の間を詳しく知りたい方は、こちらの論文を読んでみると面白いかもしれません。日本と西洋音楽の「間」について詳しく考察されています。

日本音楽における「間()」概念の検討浪曲三味線の現場から

コミュニケーションの間

音楽では「間」を大切にしている事が分かりました。

けどコミュニケーションでの「間」とは何でしょうか?

東京都出身の元NHKアナウンサー、岡部 達昭氏によると、話し方には異なる役割を持った3つの「間」があるようです。

  1. 聞いたことを解釈する「間」
  2. 「間」の後に言う言葉を際立たせる「間」
  3. 「間」そのものが語る「間」

聞いたことを解釈する「間」

神戸外国語大学元教授の河野 守夫さんによれば、私たちは耳から聞いた言葉をすぐに解釈するのではなく、一旦脳に溜めておくらしいです。

0.45秒以上の「間」があったところで、溜めておいた言葉を解釈するというのです。

ですから、「間」をとらずに長いセンテンスで話されると、溜めた情報が多くなり過ぎて、さあ解釈しようとすると、きわめて不正確であいまいになる恐れがあります。

そうならないためには、接続助詞を減らし、「何がどうした」という短いセンテンスで言い切りながら話すこと。そうすれば当然句点で「間」をとりますから、溜める、解釈する、がひんぱんに行われ、正しく伝わると言うのです。

「間」の後に言う言葉を際立たせる「間」

「申し込みの締め切りは3月17日(火)です」と一気に言うのと、「申し込みの締め切りは、3月17日(火)です」と、「締め切りは」のところで短い「間」をとってから日にちを伝えるのと、どちらが正確に伝わりますか。

後者の言葉のほうが分かりやすいですよね。

3月17日の前に短く「間」をとることで、大事な日にちが際立って伝わるのです。

大事な商品名や約束の場所、人の名前などを際立たせる場合も同じ手法が使えます。

企画のプレゼンテーションや商品の説明をする際には、まず大事な情報、際立たせたい言葉は何かを考えて、その言葉の前に、適切な「間」を入れて伝えることがおススメとのこと。

「間」そのものが語る「間」

「間」は空白の時間ではありません。文全体の流れの中で、その沈黙が大きな意味を持つことがあります。

無音の「間」が語るのです。「間」の芸術と言われる朗読などでは、それが顕著に感じられますが、通常の話し方でも、「間」から深い「思い」が伝わることがよくあります。

それは、「ここで黙る」というテクニックではありません。このことを伝えようという「思い」や「イメージ」があると、自然に適度な「間」が生まれます。そしてその沈黙が作る「間」が、語りかけてくるので。

私が仕事で実際に使う「間」

整体師として仕事をしている中で、患者さんに自分の身体を把握してもらうためだったり、現状の説明や今後の施術方針を話すときに私は「間」をよく使います。

例えば、肩こりが酷くて整体に行ったとしましょう。

そこで筋肉をほぐして骨盤も整えてもらい、施術終わったあと、先生から説明がありました。

先生「お疲れ様でした!だいぶ疲れが溜まってましたね!」

患者「そうですね〜」

先生「肩こりになった原因は、骨盤が歪んで反り腰になって背中が丸まり肩が内旋して筋肉が緊張したことが原因です。骨盤だけじゃなくて、内転筋も弱くなっていて脚が外旋し、外側の脚の筋肉がかなり張っていました。」

患者「へー、そうなんですね。」

実際にもっと長く話す先生もいますが、こんな感じでマシンガントークされたら肩こりの原因が全然分からないし、分かった気にしかなれない。

専門用語が多いので尚更分からない。

こうなるのがオチ(笑)

何故このような話し方なるのか考えてみましたが、、、

  • 知識自慢になっている
  • 相手の立場から考えられない
  • とりあえず言えば伝わると思っている
  • 切羽詰まって焦っている
  • 相手に対して興味が無い

まあこんなもんではないでしょうか。

では実際に「間」を使ってみると、どのようになるのか。

先生「お疲れ様でした!だいぶ疲れがが溜まってましたね。」

患者「アハハ、そうですね〜」

先生「肩こりになった原因はね、骨盤なんです。(原因をはっきり最初に伝える)」

患者「なるほど、やっぱり骨盤だったのですね。」

先生「立ってみると反り腰になりますよね。そうなると、背中が丸まり肩が内巻きになって緊張した結果、痛みが出てた訳です。」

患者「なるほど・・・(しっかり間をとって認識してもらう)」

先生「あと足が外に向いてしまうので足全体疲れやすいはずです。」

患者「そうなんです!足も疲れやすかったです!」

専門用語を患者さんに分かりやすく崩し、間をちゃんと設けることによってだいぶ分かりやすくなりましたね。

これは専門用語を取り除いたからなのか、間を付けたからなのか……

とりあえず「間」を設けることで、理解する時間と納得してリアクションをとってもらう時間ができる事は確かです。

「なるほど」「そうなんだ」「へぇ〜」という言葉を患者さん自身の言葉に出すことで、しっかりと脳に刻み込むように、私は心がけています。

健康の間

最後に健康の間とは何か考えてみます。

私が1番しっくりくるのは、「間を味わう」ということ。

健康に関してはこれが大切なんです。

そして、健康になるために現代人が忘れ去っていて、取り戻すべきもの。くらい大袈裟に言いたい。

何故ここまで大切に思うのかを「操体法」と絡めてお話します。

自分で動く整体

世の中たくさんの民間療法があります。

整体、カイロプラクティック、針、指圧、などは聞いたことあるでしょう。

その中で操体法(そうたいほう)はちょっと変わってます。

簡単に説明すると、操体法とは感覚を重視した「自分で動く整体」です。

「え?整体は受けるものでしょ?!」

整体院やリラクゼーションサロンに足を運んだことがある人はそんな疑問が浮かび上がります。

私も最初勉強したり受けたりした時は、言ってる意味も受けてる感じも訳が分からなかった。(今でも理解してない部分は多い…)

しかし調べれば調べるほど、この操体法は面白いし、病人まみれのこの現代で重要な思考と感覚を身につけられる。

余韻を味わう大切さ

操体法は感覚を重視した「自分で動く整体」です。ストレッチと似ているところがパッと見ありますが、いくつか操体法は特徴がある。

  1. 痛みや不快感があったらすぐやめて、気持ちよさを感じるなら続ける。
  2. 回数などにこだわらず、本人の感覚を1番大事にする。決して頑張ったりはしない。回数が多ければ良いというわけではない。
  3. 脱力を意識的に行うことで、緊張と弛緩の感覚を身体に通して学ぶことが出来る。

つまり、自分自身のの感覚をその動きをやるか、やらないかの「道しるべにする」ということです。

ここで脱力した時の感覚が重要で、脱力して何もしてない時の空白の間をしっかりと味わうことにより、筋肉がより一層緩んでいくのです。

操体法を使う人で有名な仙台やすらぎの杜整体院の院長、上川名修先生も「間」の大切さを説いています。

操体操法におけるじわ~っと気持ち良さを味わう時間を「たわめの間」と言います。「たわめ」とは枝が「たわむ」などのたわめです。

そこから脱力した後の余韻もとても気持ちがいいものです。これを「余韻の間」と名付けました。たわめの間と余韻の間。それぞれじっくり丁寧に味わいます。

自分で試してみると、余韻の間もしっかり味わうと非常に深くリラックスしていきます。そのまま眠ってしまいたいようなまどろみのような状態になります。瞑想している時の感覚とも似ています。

余韻の間は自分の感覚を研ぎ澄まさないと味わえません。

食事しているときに口の中の食感と味覚を堪能して味わったり、お風呂の場で浸かりながら血流が良くなり筋肉が緩んでる感覚を実感したり。

重要なのは、味わう事が可能な場所を知らずのうちに気付かずに通り過ぎてるという事実。

電車で特急に乗っているのではなく、実は全て各駅停車だったのです。

うん、これ分かりにくい例えですね(笑)

例えば海外旅行へ行って来て、楽しかったことを30分〜1時間ごとに細かく出来事を語れる人と、起こったイベントだけ上げて語れる人。

どちらが海外旅行を楽しめたかというと、質を求めなければ前者でしょう。

仕事で失敗した時に、前者は失敗に至るまでのプロセスやその時の心情などを感じとり、方向修正が出来ます。もしかしたら失敗をする前に至らない点を発見し失敗を間逃れる未来さえあるでしょう。

しかし、後者は途中経過で感じ取れることが少ないので大きな失敗をしてからしか気付きが得られない場合が多いのです。

実はぎっくり腰などになる人も本来痛みや不快感などの赤信号サインを気付き(味わい)、方向修正して痛まない身体の使い方をするのですが、読み取れないと一線を越えてから(ギックリ腰、ヘルニア)腰が悪いことに気付きます

まとめ

どうしたら色んなジャンルで「間」を大切に出来るのか、私はこれらを大事にすると良いのかなと思います。

  • 物事を広く見る視野を常に持つ
  • 他人に考えてもらうのを辞め、自分で考える癖を作る
  • 気付き、発見を大事にする
  • 今、この瞬間に集中する
  • 自分の感覚を信じる

この5つをしっかり頭に入れて行動していれば、「間」を大切に感じてコミュニケーションも健康も良い方向へ行くのではないかと。

「間」という奥深さ、人それぞれ考え方や味方が違うと思いますが、ぜひ一度立ち止まって自分の「間」について頭の中で整理してみて下さい。

参考

コミュニケーション力を鍛える ~アナウンサーのノウハウから~

「やすらぎ社整体院」







ABOUTこの記事をかいた人

RYUKI

整体師でありギタリストでありオタクである。趣味は読書で1年間で100冊呼んだ時期もありました。アニメは何でも観ます。自分の身体は自分で治すがモットー。 最高を求めず最悪は回避、マシな自由な世界であってと願う日々です。